<酒粕>「さけかす」
・清酒もろみは、発酵終了後上槽して液状部と固型部に分けるが、固型部を酒粕という。
・原料米中の未分解の澱粉などが主体で、漬物や粕汁、甘酒などに利用される。<早苗響焼酎>「さなぶりしょうちゅう」
・粕取り焼酎の別名で、かつては稲作にまつわる諸行事の祝い酒として、農民が飲んでいた酒が
粕取り焼酎であったことをうかがわせる呼称である。
<酸度>「さんど」
・酒類中に含まれる酸の総量を示す尺度である。清酒中の酸は、乳酸、こはく酸を主体に
主として酵母によって生成される。
<小麹>「シアオチュイ」
・酒麹の一種で、半固形発酵や気温の高い地方の醸造に適している。
・米と米ぬかを原料として造り、これに生薬剤をまぜたものを薬麹(ヤオチュイ)と呼ぶ。
・クモノスカビ、ケカビのほか酵母も生やしているといわれる。
<仕次ぎ法>「しつぎほう」
・泡盛の古酒を造る伝統的な方法で、熟成年数の異なる焼酎を4〜6種類の容器(カメ)に
保蔵しておき、最も古い古酒(親酒という)を汲み出して減った分を、次に古い古酒(二番手という)
で補充し、以下順次補充して最後の容器は新酒で補充する焼酎の熟成法をいう。
<酒器>「しゅき」
・焼酎の生産地にはそれぞれの伝統的な呼び名と形をした酒器がある。
・例えば沖縄県の「カラカラ」、「抱瓶・だちびん」、鹿児島県の「黒ジョカ」、「白ジョカ」
宮崎県の「カッポ長竹筒」、「舟徳利」、「鳩徳利」、球磨郡の「ガラ」などがある。
<主原料>
・焼酎乙類の場合、2次もろみ(本もろみ)に仕込む原料をいい、
主原料の種類により焼酎の種類が決まる。
・例えば甘藷焼酎、米焼酎などは、2次もろみに甘藷、米を仕込んだもの。
<熟成>
・発酵が終わり、出来上がった酒は、酵母などの微生物を取り除いたあとも、貯蔵中に
除々に酒質の変化が進行する。
・物理的、化学的な変化で、新酒の荒々しい感じが消え、香味に円熟味が増してくる。
・この変化が熟成と呼ばれるもので、ウイスキーやワインでは長期間を要するが、
清酒では、比較的短期間で熟成する。
<酒造好適米>「しゅぞうこうてきまい」
・米の品種のなかで特に清酒造りに適した性質を備えたものを「酒造好適米」
として指定している。
・現在、山田錦(兵庫県など)、五百万石(新潟、福井県など)、たかね錦(長野県など)
その他、約30品種が産地ごとに指定されている。
<酒薬>「しゅやく、チュウヤオ」
・酒葯とも書く。米粉を主原料とし、薬草やその汁を加えて成形したものに、
主にクモノスカビ、ケカビ、酵母を生やしたものである。
<蒸留廃液>「じょうりゅうはいえき」
・蒸留酒の全てにいえることであるが、蒸留工程で蒸留残液(廃液)が出る。
・この蒸留残液中には、もろみ中の不揮発成分である酵母菌体をはじめ原料由来の蛋白質
脂肪分、ミネラルなどが含まれているので飼料価値は高いが、水分が多いので乾燥に
莫大なエネルギーが要するのが欠点である。
<白麹菌>「しろこうじきん」
・沖縄県の泡盛を除くほとんどの焼酎にこの麹菌が使われている。
・本菌の先祖は黒麹菌の仲間であるため、白麹菌の性質は黒麹菌によく似ている。
<新酒>「しんしゅ」
・一般に上槽したばかりの酒を「新酒」と呼んでいる。新酒香と呼ばれる麹の香りがあり
味は丸味に欠けて荒いと表現されるが、火入れ貯蔵された普通の酒とちがう、その香味を
珍重する人もある。
<スーパーアロスパス方法>
・連続式蒸留機の中で最も精留効率のよい方式で、アルコールに蒸留特性が近似している
フーゼル油を2本のアロスパス塔で抽出蒸留により完全に除去することができる。
・なお、アロスパス塔が組み込まれていない過去の連続蒸留方式を”ギョーム方式”という。
<素焼きカメ>
・焼酎を熟成させる容器として古来、沖縄の泡盛に使われてきた。
・焼酎の伝来元であるタイ国産の南蛮カメ、中国産の唐南蛮カメ、沖縄産の琉球カメなどの
種類があり、これらのカメで焼酎を熟成させると古酒化が早いといわれている。
<精米歩合>「せいまいぶあい」
・清酒の原料白米の精白の程度を示す尺度で、次式により求められる。
精米後得られた白米の重量(kg)
・精米歩合(%)-----------------------------×100
精米前の玄米の重量(kg)
<精留棚>「せいりゅうたな」
・連続式蒸留機の各蒸留塔の内部には、それぞれ数十段の精留棚が設けられており
精留棚1段が単式蒸留器の1基に相当する精留効果がある。
<そば米>
・そばの殻を取り除いた内部の部分は三角形(四面体)をしており
これをそば米と称し、そば焼酎の原料に使われている。
<粗留アルコール>
・原料アルコールの中間製品として製糖現地より輸入している。
・これを原料にすると蒸留廃液は非常にきれいなため、現在ではわが国の
アルコール原料の約70%がこれに依存している。
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